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クライスラーの破綻
BLOG ENTRY | 2009年5月1日 金曜日
今日はちょっと世界経済ネタでも。
米クライスラーが遂にというかようやくというか連邦破産法11条の申請を行ったようです。
アメリカで自動車業界ビッグ3と呼ばれるGM、フォード、クライスラーの内の一角が破綻した事になります。デトロイドの終焉はもう何年も前から頻繁に取沙汰されていた話題ではありますがこれで本当に一時代の終わりを意味する気がします。とはいってもクライスラーに限っては連邦破産法の7条の適用もあるかと思っていましたのである意味最小限の被害と再建の道を残した事かと思います。11条は日本で言う民事再生法に相当しますがイメージ的にはもっとメリットが大きく今回は政府支援もあります。簡単に言うと借金の返済に迫られる事なく落ち着いて事業の再建に取り組むことが出来、労使法に関しても変更をすることが出来るようになりますので自動車会社のような大きな会社を苦しめている大きな原因となっているレガシーコストと呼ばれる退職者等に対する年金等の手当にもテコ入れをすることが出来るようになります。それほどのメリットがあるのに何故各社が拒んでいるかというと自動車はアフターサービスも重要な部分であり、仮に一時的にでもパーツの供給が滞る等の事態が予想されると米国内のディラーが持っている在庫車や中古車の価格に影響が出る事が懸念されているようです。またクライスラーに関しては現在の世界の主流となっている小型車に弱く世界戦略車がないことが今回の結果を招いた原因の1つだと思います。そこで米政府が要求していた緊急融資延長の条件の一つとしてイタリアフィアット社との業務提携があげられていました。しかしこのフィアットのマルキオーネ?だったかがなかなかしたたかで最後の引き金はこの人が引いたようにさえ感じます。フィアットは世界最大の自動車市場のアメリカにディラーネットワークを持っておらず、主力は小型車とクライスラーの弱点を補完するに最も適した相手でしたが当初株式の35%取得を条件とする等、姿勢は強気です。まぁ両社の置かれた状況を考えれば当たり前と言えば当たり前ですね。その後アメリカ政府の介入もあって態度は軟化させましたがよほど有利な条件でなければフィアット自体も盤石な経営ではありませんから共倒れも考えられます。周りから見ればクライスラーの破綻を待って11条適用後に再建に名乗りを上げる方が条件的には有利に進められます。その最大の理由は先にもあげたレガシーコストの問題です。GMに至っては「車も作る保険会社」と呼ばれる程の状態です。そのレガシーコスト、車一台当たりの価格を占める割合は1700ドル程と言われています。逆にUSトヨタ等は会社が新しいためまだ退職者もほとんどおらず100ドルに満たないそうです。この割合は生産数が減る程増加しますのでアメリカ自動車会社再建に向けての大きな問題であり、システムそのものの改善がないと今後も競争力の低下は免れません。
ピックアップのような利益率の高い車は良いですが今後の主流となるハイブリッドは3社とも技術的に遅れていますので今後の開発等も含めると日本メーカーや韓国メーカーとの価格競争は厳しい状況ではないかと思います。ただ米国産のハイブリッド車に対して米政府は購入者に大きな助成金を出すという案がありますのでこれが成立すると日本メーカーも米国での販売は苦戦するかもしれません。なにはともあれ米国の大量消費体質を改善せざるを得ない状況になり、ある意味アメリカ人のだらしない部分を頼りに進んだ世界経済も変革の時なのかもしれません。日本もドルに依存した状態から輸出先を色々な通貨を相手にする事で対ドル相場の変動による企業利益の減少という図式を変えて行きたいところではないでしょうか?
ただ、アメリカが苦しいとどんどん国債買わされますのでやはり何をするにしても対米というのはもっとも重要な事なのかもしれません。でなければアメリカはそのうちまたどっかに戦争をしかけてしまうかもしれませんしね。ただ、やはり世界通貨でドルに変わるものというのはまだまだ難しいですよね。
好きな車を通じて世界経済というのを見てみるとバカな私にも少し理解出来た気がします。
まぁ素人のごく個人的な考えですのでなんの当てにもなりませんのであしからず。
情報も素人が趣味の範囲で読んだ情報を参考にしていますので間違っているかもしれません。